広域連合とは、平成6年度に新たに地方自治法で創設された特別地方公共団体で、地方公共団体の組合の一類型と位置付けられ、地方自治法(昭和22年法律第67号)第284条第3項に基づき、平成20年4月から始まった後期高齢者医療制度を運営するために、各都道府県単位に区域内の全市町村が加入し、構成されています。
市町村が国保と介護保険の二つの保険者として厳しい財政運営を強いられている状況にあったことに加え、今後ますます老人医療費の増大が見込まれることから、財政安定化を図る観点から広域化が必要であるとして、都道府県を単位とした広域連合を運営主体としました。
メリットとしては、
1.財政基盤が大きくなることで、医療費の変動や被保険者の保険料額について、安定的な運営が図れる点
2.将来にわたって持続可能な保険運営を実施するため、中長期的な視点に立ち、被保険者の負担の標準化が図れる点
3.広域連合としての責任と権限を持った保険者機能を発揮し、給付と負担の明確化及び医療費の適正化を図れる点
4.事務の一元化により、事務の効率化や経費削減が図れる点
などが挙げられます。
各市町村の意見を反映する観点から、各市町村1人を選出し、中核市の和歌山市につきましては、1人を追加することとしたことから、合計31人としました。
関係市町村の議会において行う間接選挙により行うこととしており、関係市町村の議会における選挙の方法としては、投票による方法と指名推選による方法があり、各市町村の実情に合わせて選択することになります。
各市町村の議会議員から選出することとしています。
広域連合長及び副広域連合長の任期は当該関係市町村の長としての任期により、また広域連合議員の任期は当該関係市町村の議会の議員としての任期によることとしています。
定例会としては、各市町村議会の開催時期を考慮し、毎年2月頃と7月頃の2回開催としています。
広域連合議会議員の選出方法は、地方自治法第291条の5第1項で直接選挙又は間接選挙によることが規定されていることから、議員の被選挙権については、広域連合規約において定めることとなります。
そこで、議員の被選挙権については、実際に保険料を負担する後期高齢者とするなど、市町村議会の議員等に限定しないことも可能ですが、他の都道府県広域連合の事例においても、そのほとんどが市町村長や市町村議会の議員等から選出されていることや、これらの人が住民の代表として選挙等により選ばれていることなどから、市町村の議会の議員により組織することとしたものです。
各市町村の首長から選挙で選ばれる広域連合長(1人)、広域連合長が広域連合議会の承認を得て選任される副広域連合長(3人)、会計管理者(1人)及び選挙管理委員会委員(4人)、監査委員(2人)で組織し運営します。
関係市町村の長が行う間接選挙により行われます。
正副広域連合長を4名とし、市長から2名、町村長から2名といたしましたので、副連合長の人数を3名としました。
組織体制は、事務局長(1名)、会計管理者(1名)、総務課(会計課を含む)(5名)、業務課(11名)、国保連合会派遣職員(1名)、会計年度任用職員(5名)の計24名体制となっており、国保連合会派遣職員・会計年度任用職員以外は、いずれも各市町からの派遣となっております。
広域連合が処理する事務は、保険料の決定、医療の給付など、財政責任を持つ運営主体としての保険者機能を有するものであり、市町村が処理する事務は、保険料の徴収と窓口業務を中心とする事務となります。
広域連合の運営に係る共通経費、医療給付に要する経費、保険料その他の納付金を運営経費として、各市町村に負担していただくこととなります。
国については、高齢者の医療の確保に関する法律に基づく医療給付に係る定率の負担をはじめ、保険料軽減措置に要する経費などがあり、県については、国と同様に医療給付に係る定率負担のほか、財政安定化基金、高額医療費に対する支援、保険基盤安定制度などに対する財政支援をいただいております。
かつての老人保健制度は医療費の多寡に関わらず実際に要した医療費を公費と各保険者の拠出金で賄ってきたため、現役世代と高齢者世代の負担の不公平や医療費適正化の動機付けが働かないといった問題があったことから、新たな高齢者医療制度を創設し、高齢者世代と現役世代の負担を明確化し、公平で分かりやすい持続可能な医療制度とすることを目的としています。
75歳の誕生日を迎えられますと自動的に資格を取得することになります。特に手続き等はございません。なお、被保険者証については誕生日までにお住まいの市町村から郵送又は手渡しで交付されます。
65歳以上75歳未満の方で、一定の障害がある人は、申請により広域連合の認定を受けた方は後期高齢者医療制度の対象者となります。
※障害認定による資格取得の詳細はこちら
被保険者証については誕生日までにお住まいの市町村から郵送又は手渡しで交付されます。
医療機関等の窓口で支払う医療費の一部負担割合は、所得に応じて1割、2割または3割(現役並み所得の方)となります。
後期高齢者医療制度では、75歳になると全員が国民健康保険や健康保険組合などそれまで加入していた医療保険から後期高齢者医療保険に移り、加入者全員が保険料を負担します。国民健康保険と違い、保険料は一人ひとりに賦課されます。
保険料計算の元となる世帯構成は、4月1日(年度途中で資格取得された方は資格取得日)時点での状況で判定されますので、その年度の保険料は変わりません。
保険料軽減分の財政補填については、法律の規定により公費で負担することとなります。 その負担割合は、都道府県4分の3、市町村4分の1となっています。
被保険者の便益の向上や徴収事務の効率化の観点から、年金からの天引き(特別徴収)を行うこととしています。この対象者としましては、介護保険における年金天引きの範囲と同様に、年額18万円以上の年金を受給している方を対象としています。そこで、天引きが過大にならないように、介護保険料と合算した保険料額が年金額の2分の1を超える場合には、天引きの対象としないという措置を講じることとしています。
年金からの天引きとなっている方でも、口座振替による納付に変更することができます。詳しくは、お住まいの市町村の窓口にお問い合わせ下さい。また、特別徴収の対象とならない方はすべて普通徴収となり、納付書や口座振替の方法で納めていただくこととなります。
後期高齢者医療制度の保険料については、広域連合の条例で定めることになります。所得水準に応じた軽減措置がとられることとなりますので、個々の高齢者の支払い能力に応じた保険料設定がされます。
そうした中で、納付能力がありながら、保険料をお支払いいただけない方については、被保険者間の負担の公平化を図るとともに、保険料滞納者と接触し、窓口での保険料納付を直接働きかける機会を確保するため、現行の国民健康保険の制度と同様、通常の被保険者証に代えて短期被保険者証や資格証明書を発行することになります。
「短期被保険者証」とは、通常の被保険者証に比べ有効期限の短い(3~6ケ月)被保険者証をいいますが、通常の被保険者証と同様、一定の負担割合の額を支払うことにより医療を受けることができます。
「資格証明書」とは、当該医療保険の被保険者であることを証明する書類であり、保険料の滞納発生後1年を経過した滞納者に対しては、特別な事情(災害や病気等)のない限り、被保険者証は回収され、資格証明書が交付されます。
資格証明書を医療機関窓口で提示した場合、一定の負担割合の額ではなく、いったん医療費の全額を窓口で支払う必要があります。その負担については後で保険者(広域連合)に市町村経由で償還手続きを行うことにより支払われますが、その際、保険料の未納分が相殺されることになります。
高額医療・高額介護合算制度については、医療保険及び介護保険の自己負担の合計額が著しく高額になる場合においての財政的な負担を軽減する仕組みです。
現在、医療保険・介護保険それぞれで自己負担限度額が設定され、限度額を超える自己負担について軽減措置が設けられています。しかし、同じ世帯に医療保険受給者と介護保険受給者がいる場合、それぞれ限度額までの支給であったとしても負担が高額になる場合があります。そのため、医療保険加入世帯に介護保険受給者が存在する場合に、被保険者からの申請に基づき、世帯単位で医療と介護の自己負担額を合算し、設定された自己負担限度額を超える額を支給する、というものです。
限度額については、後期高齢者医療制度の被保険者の所得等に応じてきめ細かく設定することとされています。
急速な高齢化の進展に伴い、医療費が増大し続ける現状において、誰もが安心して医療を受けることができる医療保険制度を堅持していくためには、生活の質の維持及び向上を確保しつつ、今後医療費が過度に増大しないようにしていくことが必要です。
このため、広域連合では、地域における後期高齢者医療の現状把握及び分析を行ったうえで、糖尿病等の生活習慣病の早期発見のための健康診査や、適正な医療費の支出につながるレセプト点検、さらには健康及び医療に対する認識を深めていただくための医療費通知や広報活動等を実施することにより、医療費の適正化が総合的に推進され、持続可能な医療保険制度の充実に努めたいと考えています。
後期高齢者(75歳以上の方)の保健事業については「後期高齢者の医療の確保に関する法律」第125条に基づいて広域連合に実施の努力義務が課されており、医療費適正化の観点からも必要と考え、市町村が引き続き行うがん検診等を除いた健診を広域連合が行いますので、地域の医療機関で受診していただきます。
被保険者の方が医療を受けた状況を確認できるよう、受診された医療機関等を一覧にした医療費通知を送付しています。
①この通知は、医療機関等からの請求に基づき、費用額(医療費の総額で、保険給付外の費用を除く)、自己負担相当額(支払った医療費の額)を記載しています。 医療機関等からの請求が遅れている場合は同じ月に受診しても別の時期になることがあります。
②傷病名、薬剤名等の診療内容については回答できませんので、あらかじめご了承ください。
③「日数」には、入院・通院の日数のほかに、電話等により治療上の意見を求めたものなども含まれています。また、薬局の場合は薬を受けた回数を示しています。
④費用額には、薬の容器代、診断書料、差額ベッド代等の保険給付外の費用は含まれていません。
⑤「費用額」のうち、9割(所得が一定以上の世帯に属する方は8割、現役世帯と同程度の世帯に属する方は7割)に相当する額が後期高齢者医療保険から医療機関等へ支払われています。残りの1割(2割又は3割)に相当する額は、被保険者の方が、医療機関等の窓口で負担された額となります。
⑥「自己負担相当額」には、費用額(10割)の1割、2割又は3割の額を記載しています。ただし、これに相当する額が一定の額を超える場合は、その額を記載しています。 なお、四捨五入の関係等により、実際にご自身が窓口で負担された額とは異なる場合があります。
⑦再審査等により医療費の総額が変わることがあります。
⑧右端欄に*の表示がある場合は、10,000円以上の減額査定の対象となったものを示しています。
送付月と対象期間
<送付時期> <対象期間>
6月初旬 前年10月~12月診療分
2月中旬 前年1月 ~12月診療分
確定申告でご利用になる場合について
医療費通知は、過去5年以内の確定申告の医療費控除を受ける際に必要な添付書類である医療費の明細書として使用することができます。ただし、次の点にご注意ください。
医療費通知の「支払った医療費の額」には医療機関等から当広域連合への請求内容から計算した自己負担相当額が記載されており、実際にご自身が負担された額と異なる場合があります。この場合には、ご自身が負担された額に訂正していただく必要があります。
ご自身が負担された額と異なる場合の例
● 公費負担医療及び地方公共団体の医療費助成の給付を受けた
● 療養費及び高額療養費の払い戻しを受けた
● 医療機関への支払が完了していない等
前年10~12月診療分(送付月は6月となります)や医療機関等からの請求が遅れたものは、お手元の領収書に基づいて医療費の明細を記入していただく必要があります。この場合、領収書は確定申告期限から5年間保存する必要があります。
確定申告の医療費控除に関することは、税務署にお問い合わせください。
● 還付金詐欺にご注意ください
役所職員をよそおい、電話で「医療費が返ってくる」とATMを操作させ、お金をだまし取る被害が多発しています。
◎役所がATMの操作をお願いすることはありません。
◎ATMを操作してお金が返ってくることはありません。
※少しでも不審に感じたら、ご家族・警察に相談するか、広域連合・市町村の窓口へお問い合わせください。
※領収書と、本通知の自己負担額相当額に相違がある場合は、当広域連合までご連絡してください。
また、領収書を受け取っていない場合は、金額や日数を確認出来るように出来るだけ受け取るようにしましょう。
後期高齢者医療制度の周知のための広報活動については、各市町村が個別に対応するのではなく、広域連合が実施主体となり、関係市町村との連携協力体制のもと、各市町村広報誌への掲載、啓発用パンフレット作成による官公庁や医療機関への配布、さらにはホームページの作成など、広く住民、特に対象者である75歳以上の後期高齢者にできる限り情報が行き渡るよう、多様な機会をとらえた広報活動を展開したいと考えています。